DINレール電源の並列接続におけるデイジーチェーン接続 - 注意事項と制限事項



デイジーチェーン(Daisy Chaining)とは、電源などの複数のデバイスを数珠つなぎに接続する方法を指す一般的な用語です。本稿では、産業用途で電源ユニット(PSU)をデイジーチェーン形式で接続する方法と、考慮すべき制限事項について説明します。



原理(Principle)

電源におけるデイジーチェーン接続は、負荷に対して十分な電流を供給するために、複数のPSUを直接並列に接続する配線方式として定義されます。この配線原理では、各電源の出力が「ループスルー(順次接続)」され、合計電流が負荷に供給されます。



セットアップ(Setting Up)

直接並列接続システムにおいにおいて電源間の電流バランス(電流シェアリング)を妥当なレベルに保つには、各電源の出力電圧をできるだけ近づけて正確に設定することが重要です。各電源は、合計台数をnとしたとき、100/n に相当する負荷を接続した状態で個別に設定する必要があります。例:2台の場合は 50\%負荷。



理想的には、各出力の誤差を 25mV以内に設定すべきです。正確なセットアップにより、60% / 40%のシェアリング比率を達成できます。



時間の経過とともに、経年変化の許容誤差によって設定がドリフトし、システムの不安定化を招く可能性があることに留意してください。そのため、可能な限り定期的な再校正を推奨します。



制限事項(Limitations)

  1. 一部のDINレール電源は直接並列に接続できません。したがって、デイジーチェーン方式で電源システムを構築する前に、データシートや取扱説明書を確認する必要があります。この確認を怠ると、過負荷による火災の危険など、深刻な安全上のリスクが生じる可能性があります。不明な点がある場合は、メーカーに確認してください。
  2. 直接並列接続が可能な場合は、電源の出力接続端子の定格に細心の注意を払う必要があります。ここでの重要な要素は、システムの総負荷電流がデイジーチェーンの最後の電源の出力端子にかかるという点です。例えば、10Aの電源を3台並列に接続すると、最後の電源の端子には(最大負荷時に) 30Aが流れます。そのため、出力端子に規定された最大電流を超えてはいけません。

    もう一つの重要な要素は、最後の電源からシステム負荷までの配線のゲージ(許容電流容量)が十分な定格であり、かつ出力端子がそのサイズを受け入れ可能であることを確認することです。



事例(Example)

多くのデルタ電子製DINレール電源には、プラスとマイナスのDC出力端子がそれぞれ2つずつ備わっています。これにより、1つの端子に2本の電線をまとめる必要がなくなり、デイジーチェーン接続に理想的です。(Fig.1参照)



例えば、 Force-GT (DRF)はデルタの新しいDINレール電源シリーズです。DRF-24V240W(定格 24 V DC 10A)のデータシートでは、出力端子の最大電流定格は30A と指定されていますが、許容される最大ワイヤゲージは 12 AWGです。12 AWGの許容電流は 22.5Aであり、これがデイジーチェーン・モードでDRF-24V240Wを安全に使用できる制限となります。



3台の電源を接続した場合、システムのシェアリング許容誤差にもよりますが、公称で各電源から最大 7.5A ずつ供給できることになります。


Figure 1: DRF-24V240W with Daisy Chain

2台を超えるDRFを並列接続する場合は、安全上の予防措置として、各出力に回路遮断器(サーキットブレーカー)、ヒューズ、ダイオード、または冗長モジュールを取り付けることを推奨します。



代替方法(Alternative Method)

別の方法は、適切な定格の負荷配電用端子台を使用することです。この方法では、各電源の出力を配電端子に個別にスター配線で接続します。これにより、電源出力端子の最大電流によるワイヤゲージの制限を考慮する必要がなくなります。(Fig.2参照)


Figure 2: DRF with star wired Distribution Terminals


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